
【書評】紅蓮館の殺人と蒼海館の殺人
紅蓮館と蒼海館
『さぁ、腹を割って話しましょうよ。真実を』
いらっしゃいませ!
カフェミステリークイーンへようこそ!
スタッフの栞が本日もオススメミステリー小説をご案内します!
本日のオススメはコチラ
『紅蓮館の殺人』と『蒼海館の殺人』です。
どうぞお飲み物でも飲みながらのんびりとお聞きください。
阿津川辰海(著)紅蓮館の殺人
2020年本格ミステリ・ベスト10国内ランキング第3位
ミステリが読みたい!2020年版国内編第5位
このミステリーがすごい!2020年版第6位!
そしてそして!
蒼海館の殺人
まだランキングはわかりませんが、必ず上位間違いなし‼️
【こんな方にオススメ!】
新しい探偵をお探しの方!
ハラハラドキドキのクローズ・ド・サークルがお好きな方!
館ものが好きな方!
著者の阿津川辰海さんは2020年現在まだ26歳という若さ!「透明人間は密室に潜む」では本格ミステリベスト10で堂々の第一位を獲得するなど、今をときめく新進気鋭の作家さん!
最近同じ作家さんばかり読んでるなぁと思っているあなたにぜひオススメ!今から追いかけちゃおう✨私は追いかけるw
まず、見てくださいこの帯、、
ゴールド‼️
本屋さんで紅蓮館の殺人と出会った時、このゴールドがババーンッという音と共に光り輝いて私の瞳を貫きました!
「うおぅ!こりゃぁ読まにゃあ」と即買い✨
そしてまたこの度発売されました蒼海館の殺人もゴールド。二つ並ぶと煌めくオーラを放っているようです。
両方並べるとわかりますが、「紅蓮館の殺人」より「蒼海館の殺人」の方が1.5倍くらいありますね^ ^
ぶっとい…
あれ?分厚くて大丈夫かなぁとか思ってますか?
大丈夫です!!
私も一瞬たじろぎましたが、数ページで今度は終わりたくないって思いますよ^ ^
何故かって、言わずもがな。面白いからです!
テンポよく場面が変わり飽きさせない描写力!登場人物もみんな想像しやすく混乱することもない!
そして、大胆なトリックと複雑な人間関係の中にある謎は素晴らしい✨これこそ読みたかった本格ミステリ‼️
カバーイラストも見ようみよう!
紅蓮館の殺人は館の周りで炎がメラメラと燃えてて、蒼海館の殺人は青色を基調としたイラストで水で覆われているのがわかります。
どちらもとてつもなく豪邸✨
大きな館が自然の脅威に飲み込まれていくデザインでとても神秘的に感じます。
どちらのカバーイラストとても好き!これだけのポスターとかないかな?部屋に飾っておきたいなぁ。
あなたはどちらがお好みですか?
こっちかな?こっちかな?ふふふ。
突然ですが私は、とても天邪鬼でして
本を読むのは早い方ではあるのですが、「好きだな」「これヤバイな」「デスティーノ!」と思った小説はメチャクチャ読むのが遅いんです!
ずーっとその文章の海に浸ってふよふよ浮いていたくなる!!
で。この蒼海館の殺人なんですが、読むのがメチャクチャ遅かった!!それだけ本当に面白かったんです!ずーっと手元に置いておきたい小説です✨
では、ストーリーを紹介します!
『紅蓮館の殺人』
田所は高校の勉強合宿を抜け出す計画を立てていた。同級生の名探偵葛城輝義をさそって憧れの小説家に会うためだった。
うまく抜け出し、山の上の文豪の館に向かう途中で
山火事が発生する。
戻ることができず急いで憧れの館に避難をするも
翌日に、仲良くなった少女が圧死の状態で見つかる。
山火事はどんどん広がり、自分たちがいる館に近づいてくる。
少女は事故か、それとも…
謎を解くべきか、脱出するために行動するべきか…
登場人物たちの運命はいかに!
『蒼海館の殺人』
葛城輝義は学校に来なくなった。理由に心当たりのある田所と同級生の三谷は彼の実家である『蒼海館』を訪れる。
あまりに普通じゃない葛城の一族。
父は政治家、母は大学の教授、兄は警察官、姉はトップモデル…歓迎されたり迷惑がられたりしながらどうにか滞在することを許される。
そんな中、殺人事件が…
そしてまた、恐ろしくも猛烈な勢いで洪水が迫ってきていた。
葛城は、苦しみを乗り越え、この状況に光を照らすことが出来るのか!!
【人物紹介】
探偵、葛城輝義
彼の突出した能力は嘘を見抜く能力!
といっても第六感のような特殊能力ではなく、彼の人生の中で培われてきたもの。些細な動きや行動に対して敏感に感じ取れる能力。
その才能を生かしいろいろな謎を解くことができるのです✨
田所信哉
葛城の高校の同級生。
ワトスンの役所である田所は身長が高く、葛城の良き理解者^ ^お互いに支え合ってる感じだけど、まだちょっと強引な子供って感じがまた良いね。成長過程最高✨
先程ストーリーでご紹介したように、
この小説の舞台はどちらもクローズドサークル。
さて、クローズドサークルといえば、
なんらかの原因である場所から逃げられなくなり、その状態で殺人事件が起こることです。
紅蓮館の殺人は山火事。
蒼海館の殺人は豪雨。
対極にあるこの災害のつながりは人工的でないこと。どちらも自然災害。人間にはどうしようもできない自然災害に、登場人物たちがどう闘っていくのかも見どころの一つ!
章の初めに
紅蓮館の殺人の場合は
【館焼失まで○○時間○分】
とか、
蒼海館の殺人の場合は
【館まで水位○○メートル】
とタイムリミットが書かれるのがまた
ドキドキを煽るんですな!
読む順ですが、
タイトルだけ見ると1巻2巻とは書いてないのでどっちから読んだら良いのか迷うかも知れませんね。
『蒼海館の殺人』から読んでもとても面白いとは思うのですが、私としてはやはり!
『紅蓮館の殺人』からの『蒼海館の殺人』が素晴らしいルートだと思います!
なぜならこの本は二つで一つ!探偵の挫折と飛躍のお話だから!(勝手に言ってます。すいません…)
(小声)ここだけの話、私はあんまり紅蓮館の殺人の葛城輝義は好きじゃなかったんですよ。
でもでも、蒼海館の殺人を読んでから、
『一番の推し探偵は誰?』と聞かれたら迷うことなく葛城輝義!と答えます!
それだけ好きになってしまったんです!
私は今後も名探偵葛城を追っていくので、ぜひ私オススメのこの小説、読んでみて下さいね✨