【書評】時空旅行者の砂時計
『これから語られるのは、呪いと奇跡の物語』
いらっしゃいませ!
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スタッフの栞が本日もオススメミステリー小説をご案内します!
本日のオススメはコチラ
『時空旅行者の砂時計』です。
どうぞお飲み物でも飲みながらのんびりと読んでいってください。
方丈貴恵(著)時空旅行者の砂時計
第29回鮎川哲也賞受賞作
タイムトラベルと本格ミステリをミックスさせた今までにない切り口の作品です。
『死にゆく呪い』『見立て殺人』『お金持ちの館』
『力を持ったお爺さん』
と、本格ミステリの醍醐味が満載✨
あと、この表紙を見て下さい!!
めちゃ好み!熟した柿色の真ん中にちっさい砂時計が⏳可愛い〜✨
ハイセンスです✨
こんな人にオススメ
1.ミステリが好きでSFをあまり読まない
2.イヤミスじゃないのが読みたい
3.凄惨な殺人事件が欲しい
1. ミステリが好きでSFをあまり読まない
私がそうなのですが、あまりSFは読んだことがありません。だから知識とかもないし、タイムトラベルっていうのを受け入れられるか不安でした。
しかし、そんな不安はすぐに吹っ飛びました‼️知識なくともすんなり入り込める文章✨なので、SF苦手さんも安心して本を開いて下さいませ^ ^
2. イヤミスじゃないのが読みたい
「本を読んで嫌な気分になるミステリ」通称イヤミス。私はイヤミス好きでして、イヤミスを探してはそればかり読んでいた時期もあります。
しかし、この『時空旅行者の砂時計』を読んで、スッキリ終わるの最高✨と感じました!
爽やかなラストを体験したい方にぜひオススメです!
3.凄惨な殺人事件が欲しい
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、大丈夫!めちゃくちゃ凄惨でキッツイ事件があります✨ご安心くだされ^ ^
この中のどれか一つでも当てはまった方はメチャクチャ楽しめますので、ぜひ最後までご覧下さい✨
【栞のオススメ度コーナー】
しっかりSF度☆☆☆☆
惨劇度☆☆☆☆
爽やか度☆☆☆☆☆
惨劇度と爽やか度を同じ物語につけるとは思わなかったですが、仕方ないんです。惨劇もあり、爽やかでもあるのです!
しっかりとしたSFの中に本格ミステリ!クローズドサークルになり逃げられない中で連続殺人。それがある見立てで行われるとわかっちゃあ!
ミステリ好きにはもうたまらない✨おどろおどろしさ最高潮!!
では、ストーリー紹介をどうぞ
【ストーリー紹介】
2018年5月、主人公の加茂は市立病院に来ていた。彼の妻は瀕死の状態で、医師の見立てではこの3日が山だという。彼は妻を助けたいと切に願っていた。
そんな加茂に謎の声が話しかけ、そして奇跡が起こった。
2018年から1960年の8月にタイムスリップしたのだ。
まだ、彼も彼の妻も生まれていない時代に…
この年、ここである一族が呪われ始めた凄惨な事件が起こる。
その歴史的事件を紐解けば彼の妻は助かるらしい。
一族はなぜ呪われ始めたのか?!謎の声の正体とは?!そして、彼はその謎を解くことができるのか?!
という物語でございます。
ただ『タイムトラベル』をしてしまった男性の話、ではないです!なぜ彼が過去に向かったのか、謎の声は何故そんな力があるのか。何故一族は呪われてしまったのか。これらの謎がバランスよく配置されしかも本格ミステリになって、ちゃんと伏線回収しているのが凄い!
方丈貴恵さんのSF知識もハンパない!
タイムトラベルと言えば、SFじゃないですか!バックトゥーザ・フューチャーです!タイムトラベルだけでも面白そうなのにそこに凄惨な事件の数々を詰め込んで…くぁぁぁ!最高です✨
私は途中、「カバーイラストは爽やかなのに雰囲気ドロドロだな。」と思いましたが、いや!全て読んでからカバーイラストを見ると「あぁぁ!」ってなります。
私はミステリって最後しんみり悲しみで終わるもの、イヤミスものとか多いかな、なんて個人的に感じてるんですが。もしあなたも同じように感じていたら、この『時空旅行者の砂時計』の最後の気持ちの良さをぜひ味わっていただきたいです❗️衝撃ですよ✨
最後に、あなたは過去に行けるとしたらいつが良いですか?
私は、私が生まれるずっと前…
1981年の4.23、蔵前国技館へ。
初代タイガーマスクがデビューしたあの日へいきたい。彼の空中殺法を生で見たい✨